お月さまを見上げて物思いにふける

旧ブログタイトル:日本を飛び出したい

COP23に参加してきた日本のユースとして思うこと

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COP23に参加した経緯

COP23って聞いてピンと来ない人もいるかもしれないけれど、『京都議定書』や『パリ協定』が定められた会議の23回目と聞くと分かりやすいでしょう。この会議は"気候変動問題"をメインに議論するものですが、気候変動問題ってあらゆる分野に影響してくるんです。日本に住んでいるとその影響ってあまり感じないかな…しかし世界では既に被害を受けている国があって、今回議長を務めたフィジーはじめ島嶼国や途上国からの参加者との出会いでそれを実感した次第です。

#みんなお馴染みのSDGs。気候変動がどう世界に影響を与えるか一度考えてみて。

 

なんで私がCOP23に行ったかって?

COPって首脳が集まって会議をする雲の上のような存在というイメージで行けると思ってへんかった!んやけどClimate Youth Japanと夏に出会い(ドイツに住んでいることもあり)派遣メンバーとして参加する権利を分けていただきました。日本の若者として参加する手段はClimate Youth Japan経由か、某大学からの認定を貰うか、インターン先のNGO経由で行くかこの3択くらいかな。

               

そんな貴重な経験をさせてもらうにあたり、今までのCOPの歴史や交渉の論点を勉強しつつ自分なりに目標を立てようと思うも、派遣先で何ができるかイメージが湧かず……

とりあえずの行動目標として「自分は日本の若者の代表団」だからこそすべきこと=日本人に向けての情報発信をしようと個人的に真面目Tweetをひたすら飛ばしました笑

 

具体的にそこで何ができる?

会場はふたつに分かれており私はハイレベルな会場に行く権利を持っていませんでしたが、もう一方の会場の方がサイドイベントやブースが充実していました。

好きなテーマのサイドイベントに行く

環境問題に関心を持つようになったきっかけのFinance。高校生の時に見たあの動画ではそもそも世界のどの問題に「いま」積極的投資すべきか、環境問題は後回しになっているということが叫ばれていたから衝撃を受けたけれどそんなの古い話。今回の論点とその結果はここで詳しく見ることが出来るが、Loss and Damage(気候変動に脆弱な途上国の損失と損害)に対するきちんとした基金の枠組みが必要ということは後で述べるワーキンググループでも確認しました。

印象に残っていることとしてSolar Impulseの代表のスピーチで、企業による再生可能エネルギーやテクノロジーへの投資の必要性を感じました。気候変動対策はいますぐに行動を起こさなければ遅い、テクノロジーが開発され誰でも使える状況であれば積極的に使っていこう!太陽光で空の旅ができる日は近い。

                     「solar impulse」の画像検索結果

 

海外の若者と活動する

何よりも参加して得られたものは海外の若者とのネットワークと彼らとなら社会を良くできるという確信を持ったことです。

YOUNGOは若者の声を届ける役割を持っており、ひとつのClimate Change Secretariatとしてプレナリーや会議(COP/CMP/CMA)への出席、補助機関の議長やCOP議長国との会合に出席する権利が与えられています。

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#世界各国から集まったLoss&Damage Working groupのメンバー

YOUNGOが最終日に会議の意思決定を踏まえて公式会見をするということで、その文書を分科会に分かれて作成する仕事にちょっと首を突っ込んでみました。いろいろな分科会がある中で私はLoss and Damage(前項参照)のグループで活動することに。とは言え専門分野で無かったためはじめは議論に全く付いていけませんでしたが、個人的にその分野のイベントに参加して知識を付けたり、ニュースをシェアしたりしてチームに貢献できるよう務めました。

       画像に含まれている可能性があるもの:2人

なおYOUNGOによる会見の動画はUNFCCCのサイトに挙がっています↓ 若者が気候変動に対してどんな意見を発信しているのか、是非みなさんにもチェックしてもらいたい。(30分)

https://unfccc.cloud.streamworld.de/webcast/youngo-the-youth-constituency-press-conference-2 

 

Climate Youth Japan主催のイベントの準備をする

Climate Youth Japanのメンバーは日中は各人の興味に基づいてイベントに参加し、晩は同じ宿泊所でイベントに向けたミーティングをしていました。

 このイベントはこれまで私たちが東京2020サステナリンピックの実現を目指して活動していたことをケースに挙げながら、参加者と共に若者の参画や持続可能な社会づくりに関するアイデアを話し合うものでした。当日はグループのファシリテーターをしていましたが、参加者で世界のSustainableな取り組みを共有し「へ~こういうのもあるんや!いいね!」と共感する時間がつくれたことが素敵でした!

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#ピコ太郎の音楽でSustainalympics♪盛り上がった

 

今回はじめてCOPで出会うClimate Youth Japanのメンバーが多かったです。志同じく日本で活動している人がいると刺激を受けます!また日本に帰ってからじっくり話したいな。

 

 

まとめ

今年のCOPはフィジーが議長を務めたこともあり島嶼国主催のイベントが多かったり、アマゾン流域の先住民の代表として参加している人と話す機会があったり、気候変動と人権をテーマにしているイベントで環境難民となった方の話を聞いたり…

今まで気候変動の脅威やこうして経済活動を行っている間にも私たちが気候変動を加速させていることを、脳で理解し危機感を持っていましたが、今回はで理解できたような気がします。

それに加え世界から集まった若者のプラットフォームが存在していること。彼らの中には既に積極的にアクションを起こしている仲間がいること。それがこれからの私の一歩をサポートしてくれそうです。

 

これからの私の一歩って…?

今回日本が「本日の化石賞」*を受賞したことがショックというか「日本」という看板を持ってCOPに参加する心境は複雑でした。

他国のユースに"I'm from Japan"と言った時に特別批判的な反応をされたことはありませんが、やはり「国籍」というフィルターを通して他者を見ることが少なくともあるため、自分がどう思われているのかを気にしてしまうのです。

一方で、このように日本が「本日の化石賞」を受賞したのは私たちの上の世代の意思決定に基づくものであり、直接的な責任が私たち若者にないと考えることもできます。

「日本人」のユースとして今後どう行動していくか。

今まで私は被害を被りやすい島嶼国や途上国の気候変動問題を解決するために世界の気候変動対策がどうあるべきかに注目していました。しかし、それ以前に選挙投票やCYJの政策提言の活動で自分の国の意思決定にも関わるという意味で自分にも責任があることを認識するべきだと考えを改め…将来世代に同じような思いをさせないためには、いま変革を起こしていく必要があります。

将来日本を背負って気候変動交渉の場に立つという進路も視野に入れようと考えてみたCOPでした!

 

*「本日の化石賞」

この賞はCOP会期中の日々の交渉で温暖化対策に最も後ろ向きな国に贈られる賞です。(化石燃料と、化石のように考え方が古いとの揶揄を掛け合わせた言葉)今回日本が受賞した理由は、6日の首脳会談で日本政府が米国との間で合意した「日米戦略エネルギー・パートナーシップ(JUSEP)」において2017~18年に東南アジアや南アジアへ石炭火力発電所原子力発電所の輸出を目指すとしたことでした。