「民医連医療」8月号に、記事を寄稿させていただきました。
タイトルは「福祉と気候変動をつなぐ市民共同発電―私が果たすことのできる『役割』」です。

全日本民主医療機関連合会が毎月発行する医学・医療雑誌 全日本民医連4紙誌電子文書
「ジャストミート 私が声をあげる理由」というコラムで、私が気候変動問題に関わるようになったきっかけや、神戸石炭訴訟での経験、そして現在取り組んでいる市民共同発電サンサンすいたの活動について綴っています。
この記事を読んだ医療関係者の方から、現在進めている「相川診療所市民共同発電所プロジェクト」に資金協力をいただきました。
私の記事は後半のコラムに掲載されています。そこまでページをめくって読んでくださる方がいることを思うと、こうしたテーマについて日頃から考え、学び続けている読者の方々が多いのだなと感じます。自分自身の経験や問題意識を言葉にしたものが、実際の地域での取り組みに結びついたことを、とても有難く感じています。

雑誌の今月号の大きなテーマは「非戦の誓い」。
翻訳家、活動家、医療関係者、学生など、多様な立場から寄せられた記事が掲載されており、社会のさまざまな場所から「平和」を捉え直す、読み応えのある一冊です。また今回、市民共同発電所を設置する相川診療所では、職員さんが平和活動の一環として「原水爆禁止世界大会」へ定期的に参加されているほか、吹田に平和の碑を立てるための資金集めもされています。
今回の記事では、まず「私にとって声を上げるとは何か」というところから書き始めました。
私にとって「声を上げる」とは、社会のなかにある課題を「これは問題だ」と言葉にし、それを周囲と共有していくことです。その後、神戸石炭訴訟での経験に触れ、現在の「医療・福祉と気候変動問題をつなぐ」市民共同発電の取り組みへと話が続いていきます。
市民共同発電所づくりでは、市内の高齢者施設や障害者作業所、診療所などと発電所の設置について協議したり、施設の催しや講演会に参加したりする機会があります。
そうした現場の方々と直接お話を伺うなかで、私の中でも一つの認識の輪郭がはっきりしてきました。それは、気候変動が単独で存在する課題ではなく、健康や福祉、日々の暮らしのなかにある「脆弱性」と重なり合いながら、地域の現場に現れてくるということです。
高齢者や子ども、障害のある方ほど、猛暑や災害の影響を受けやすい。そして、その影響は医療や介護、生活上のさまざまな困難とも結びついています。
医療や福祉の現場では、地域で安心して暮らし続けられる環境をどう守るのかという問いに、日々向き合っておられます。そうした声を直接伺うことで、気候変動対策もまた、環境政策だけに閉じた問題ではなく、地域の暮らしをどのように支えていくのかという問いと切り離せないのだと、実感するようになりました。
医療の現場からの声
今週は、相川診療所市民共同発電所プロジェクトへの協力を呼びかけるため、大阪府内のいくつかの団体を訪問し、意見交換をしました。
大阪民医連の担当者の方からは、「この厳しい暑さの中、医療機関では熱中症で救急で搬送される人が本当に多くなっている。また、高齢者を中心とした孤立世帯が同じく熱中症で自宅で亡くなるケースも一昔前と比べると急増している。これは統計データにも出ていないが、深刻な社会問題だ」というお話を伺いました。
気候危機の影響は、気温や降水量といった指標だけでは捉えきれません。社会のなかですでに存在する格差や孤立、生活上の脆弱性と結びつくことで、より深刻なかたちで現れる。その現実を、医療の現場から改めて突きつけられたように感じました。
気候変動対策の運動を広げていくには
そのほか、あおぞら財団、公害をなくす会、原発ゼロの会の事務所にも伺い、意見交換をしました。
市民共同発電への資金協力について、「環境問題や再生可能エネルギーへの関心からというよりも、『この施設だから』『この地域だから』という理由で支援する人が多いのではないか」という指摘もありました。実際、これまでの協力者にもそのような傾向があります。一方で私自身は、市民共同発電という具体的な取り組みを入口として、再生可能エネルギーや気候変動そのものへの関心の裾野も、もう少し広げていけたらと思っています。

あおぞら財団を訪問した際には、作成された「気候変動×防災×公害」というパンフレットをいただきました。
災害や公害による被害は、経済的に困難な状況にある人、高齢者や障害者、日本語を十分に理解できない外国人など、社会的に排除されやすい立場にある人ほど大きくなりやすいことを前提に、そうした人々を取り残さないために何ができるのかを考えるワークも紹介されています。
まさに今の自分の関心とも重なる内容で、ぜひこのワークショップを実際にやってみたいです!

教材のダウンロードや冊子の送付依頼はこちらから
教材「気候変動×防災×公害ハンドブックー未来に手渡したい環境と社会を考える」 – あおぞら財団の研修・教育
再エネ×蓄電池を福祉施設に
そして、サンサンすいたでは、次の活動についても話し合っています。
その一つが、市内の福祉避難所への太陽光+蓄電池の設置を進めることです。
まずは高齢者施設・障害者施設の実態を調査し、専門家からフィードバックをいただく。その結果をレポートとしてまとめ、施設関係者とも議論しながら、行政への政策提言や議会への請願につなげていく。
新たな市民共同発電所づくりが一旦落ち着く来年以降、関心を持ってくださる施設を探すところから、ぜひ取り組んでみたいと思っています。
現場から寄せられる声を、気候変動対策の政策や地域のエネルギーのあり方に反映させていく。市民共同発電の活動を、単に発電設備を増やすための取り組みにとどめず、そうした役割を担うものとして発展させていけたらと思っています。

また、市民共同発電の活動を通じて、支援してくださる方がイベントに足を運んだり、施設の方と交流したりすることで、地域の医療や福祉の施設が、そこに暮らす人にとってより身近な存在になっていくことも、私たちが思い描いている一つの姿です。
最近、私の夫が相川診療所で健康診断を受けました。私も付き添いで行ったのですが、普段は会議で顔を合わせている方と、診療所のなかでばったり出会いました。
市民共同発電所をつくるという活動が、エネルギーの問題にとどまらず、地域と医療・福祉の接点をつくり、人と人との新たな関係を生み出していく。そんな広がりを、これからも少しずつ地域のなかにつくっていけたらと思っています。

















