お月さまを見上げて物思いにふける

気候変動・エネルギーのトピックを追っています。ドイツには2回に分け、計19カ月間滞在しました。

今日はパレスチナDayと称して外に出てみた日 映画『壊された5つのカメラ』

日々の仕事と生活に追われていると、自分は社会的な問題を正しく理解できていないのではないか、市民一人ひとりの行動が必要と言われている中で、格差や環境破壊を助長する側には回らないにしても、何も出来ていないのではないかと不安になる。

 

2026年1月11日、「パレスチナDay」と称して、パレスチナで起こっていることに向き合ってみることにした。

 

この記事を書く中で、他に下書きにしている記事のことを思い出した。ドイツ滞在中に参加したカーボンニュートラル目標年前倒しのための住民投票運動についての後編だ。

そのひとつ前の記事は、ドイツで「No Other Land」の上映会に参加したことを取り上げた。この映画は、パレスチナ人に対するイスラエル軍やユダヤ人入植者による襲撃の一部始終を取り上げたもので、今回の記事で取り上げる映画が映し出しているところと近しい。

 

私は気候変動対策を求める活動をこれまで行ってきて、関連したイベントにも多く出席しているため、その報告やアクションの呼びかけを行う必要性・プレッシャーを感じているが、実際記事を書こうと思うと中々進まないのだ。

 

パレスチナ問題についても、誤ったことは発信できないので、都度インターネットでの検索が欠かせないが、やはり「今」書かなければならないと背中を押される。

ということで記事を書き始め、ほぼ書き終わっていたのが約2カ月前でした…

 

1月11日は3連休の中日。サポートしている団体のFacebookの投稿を見て、パレスチナ関連の催し物が、同じエリアで同時発生していることを知り、予定を空けておくことにした。

 

①1/10~12 パレスチナ・フェスティバル

…レクチャー・上映会・ワークショップ・物販(by Friends of Palestine 神戸)

②1/11 パレスチナに心を寄せるつどい

…トークイベント・写真展・物販(by 架け箸・パレスチナとつながる写真展マクルーバ・THE BIG ISSUE Japanの希望をつむぐ本屋さんにて)

 

場所は大阪の千林商店街。大阪のバラエティ番組でタレントが街頭インタビューをしたり食べ歩きをしたりする商店街として知られているが、これまで訪れたことはなかった。結局、今回はゆっくり商店街を歩くことができなかったので、また改めてじっくり回ってみたい。

まず少し(かなり)遅れて、①のレクチャー「パレスチナへの暴力に対する日本の加担とその先」に参加した。主に対イスラエル企業に対する運動ーBDS運動(ボイコット・投資撤退・制裁)に関して言及された。

日本におけるBDSガイドライン

 

このイベントの参加前後で、知り合いとの普段の会話の中で、たまたまBDS運動について意見を交わす機会があった。

近日中にパレスチナ問題に関するイベントに参加する予定だと伝えると、「それは政治的だね~」という返しがあった。

確かに政治が深く関わっている問題だと思いながら、私たちのお金がどのように使われているのかについて、以下のような例を挙げて説明してみた(あくまでも簡単にではあるが)。

 

・ファナックの産業用ロボットが、イスラエルや、イスラエルに武器を提供する軍需企業に直接的ないし間接的に輸出されている。

・私たちの年金がイスラエルの軍事企業に流れている

 

他には、BDS対象の企業リストに対して、「ここはボイコット難しいわw」という声。

・Google:私はAndroidのスマホを使っていて、特にフォトにはお世話になっているが、容量もいっぱいでどこに乗り換えるべきか分からない。また仕事でも、業務上のチャットを含めGoogleに頼りきりになっている。

・Booking.comやAirbnb:イスラエルの入植地(もともとパレスチナ人が住んでいた土地を収奪して作られた場所)の物件掲載を続けているとして、ボイコットが呼びかけられている。直接予約は、施設側にとっても手数料が差し引かれないという利点があるが、ホステルなどは予約サイト経由の方が安いこともある。その差額については友人に「見ない方がいいよね」と伝えた。

・Amazon:私の場合、楽天市場でなんとかなっている。

 

レクチャーが終わってから、会場内の展示品を見て回り、グッズを購入。その後、図書館に立ち寄り、カフェで体を温めながら時間をつぶした。

引き続き、①のフェスティバルの企画の一つである「壊された5つのカメラ」の上映会に夕方から参加した。

この映画は、パレスチナの・ビリン村の抵抗運動を5台のカメラが追ったドキュメンタリー。撮影者のイマード氏は元々ジャーナリストとかではない、オリーブ農園を運営する一家の父親で、末っ子の四男が生まれたタイミングで初めてカメラを手に入れた。その村ではカメラを持っていることは珍しいので、村のイベントのカメラマンとして駆り出されることもあった。2005年のこと。その頃、徐々に激化していったイスラエル軍の入植行為への抵抗運動を記録に撮ることを始め、途中自身の逮捕やカメラが命拾いするような危険な場面を経験しても、決して撮影を止めず、平均して1年に1回新たなカメラを買うこととなった。

イスラエルの入植地とパレスチナ人の村を隔てる分離壁は、ビリン村のオリーブ畑を切り裂くように建てられた。畑は壁の向こう側に押しやられ、人々は自分たちの土地に自由に入ることすらできなくなった。
イスラエル側は、既成事実を積み重ねるように、プレハブ小屋を建てていく。それに対してパレスチナ人たちは、建設資材であるコンテナの移送を止めたり、建設現場に立てこもったりして、それを阻止しようとする。

ときおり政治家が村を訪れるが、それはパフォーマンスに過ぎず、村の人々の生活や抵抗の現実を変えることは無いと語られた。

イスラエルの裁判所は、分離壁の建設を違法だと判断したこともあった。しかし壁はすぐには撤去されず、実際に取り除かれるまでに5年もの時間がかかった。

 

映像の中では、入植地の拡張が進む中で、爆撃音が聞こえるような状況でも、子どもたちが楽器を手にして音を鳴らし、騒ぎ立てる場面が映し出される。彼らは、幼い頃からこの運動の中で育ち、「奪われた土地を取り返す」という言葉を自然に口にする。

 

非暴力で抵抗を続けることが簡単ではないことは、映像の端々から伝わってきた。

素手に近い人々の抵抗と、武器を持った兵士たちの力の差はあまりに大きく、建てられたものは簡単に破壊される。それでも人々は、壊されたらまた建てるという行為を繰り返す。またオリーブの木が燃やされ、土地が荒らされることもあった。それに対抗して、人々は植樹を行い、再び木を植える。

 

上映会の主催者で、日本に暮らすパレスチナ出身の女性が語った言葉が印象的だった。

 

パレスチナの抵抗運動には、必ず終わりがあると信じている。抑圧が終わり、自由が訪れるという希望を持っている。パレスチナの人々にとって、抵抗の運動が止まることは、単なる休止ではなく「死」に等しい。


行動をやめることは、占領を受け入れることと同じになってしまうからだと思う。彼女は、アイルランドや南アフリカの歴史にも言及した。どちらも長い植民地支配や差別と暴力の時代を経ながら、最終的にはそれを終わらせるところまでたどり着いた社会だ。

 

上映会を後にして、1日の最後のイベント②「パレスチナに心を寄せるつどい」のため、千林商店街の東側の端っこにある「希望をつむぐ本屋さん」へと移動した。

そのスペースは、ストリートペーパーを通じて、ホームレスや生活困窮者の仕事を生み出しているTHE BIG ISSUEが運営するシェア型書店だ。シェア型書店というのも面白いなと思ったが今回は割愛する。

一人目の登壇者は「パレスチナとつながる写真展 PROJECT マクルーバ」のメンバーである村上さん。

村上さんは、2002年に知人が主催するスタディツアーで、パレスチナ西岸地区とガザ地区を訪れたことが、現在の活動の原動力に繋がっている。当時と比較した、パレスチナの街並みの変わりようを、二人目の登壇者の高橋さんの発表中にも伝えてくれた。

「マクルーバ」という言葉は、現地の料理(鍋で作った炊き込みご飯)の名称で、アラビア語で「ひっくり返す」という意味を持つ。パレスチナのイメージや語られ方そのものをひっくり返したいという思いから写真展を始め、全国で50か所ほど(!)に広がってきた。大阪府内でも何度か開催されていて、私も今回が3回目の参加であったが、観る度に気になる地区や視点が変わっていて、関心が広がっていることを実感する。

 

もう一人の登壇者は、フェアトレード・パレスチナ雑貨専門店「架け箸」を立ち上げた高橋さん。彼女は大学時からの同学年の友人である。フェアトレード雑貨店「架け箸」を立ち上げ本格的に活動を始めたのは2020年、私が新卒で働き始めたタイミングだった。

2025年8月、ヨルダン川西岸地区に1か月滞在し、オリーブの木製品や刺しゅう雑貨を作る生産者さんのもとを訪ねた。今回がパレスチナへの5回目の渡航だった。

変化が見られたのは、町から町への移動だと言う。
自動車の車内から見える道路の封鎖バー(チェックポイント)は運転手が予め情報を得てルートを決めているため基本的に開いているが、閉鎖されている場合迂回が必要となる。命に危険は及ばないとしても、このようにしてパレスチナ人の移動の自由が奪われていっている。

高橋さんは滞在記を26本も記事として投稿している。その中で語られている言葉を引用する。

見えない占領、「たまたま自分たちではない」ということ。
1時間~2時間もドライブすれば、映画「ノーアザーランド」で土地を追われている村々が、4~5時間離れた北部にはガザのように空爆を受けている町があって、すぐ近所でも、一昨日イスラエル軍が住居の破壊命令を出したと教えられました。(※パレスチナの中であっても、イスラエル軍の命令が上位に来る地域があり、住宅や学校、生活インフラが破壊されています)


彼女は、パレスチナの生産者と日本の消費者をつなぐフェアトレードの店として、少しずつ関係人口とファンを増やしていきたいという想いで、滞在報告の話の折々にはパレスチナの日常風景を必ず織り交ぜるようにしている。

野菜を手際よく切る様子や、来客に対して振る舞われるコーヒー文化、そして現地の方が直々に教えてくれた料理のレシピ。

人よりもずっとパレスチナ関連のニュースを目にする機会が多く、悲しみや怒りの感情に苛まれることもあるはずだ。しかしそれを表に出さず、共感や関心を広げる情報の見せ方・話し方を貫いている所が、尊敬できるし、参考にしたいと思った。

 

2025年10月、停戦合意のニュースが報じられた一方で、現地ではハマスの武装解除と段階的な管理強化が進められている現実がある。また「復興」という言葉は報道等でまだ聞かれないが、爆撃で家を失い、寒さの中で生活もままならない人びとがいる。国境なき医師団やJVCのような支援団体の活動すら厳しく制限されているような状況だ。

 

そして時間が経ち、2026年の3月になり、世界では中東情勢がより緊迫し、パレスチナの状況はむしろ複雑さを増している。

こうした状況を前にして、また仕事が忙しくなると、ニュースすら追えていない時は自分に腹が立ってくる。それでも、このパレスチナDayのように1日でも問題と向き合い、情報をアップデートする時間をたまに作ることで少し心が軽くなる気がする。

参加型民主主義について考える①住民投票は誰のための仕組みか――日本の事例

ドイツ・ハンブルク市では、2025年の住民投票に向けた準備が進められている。今年は「カーボンニュートラル」と「ベーシックインカム」の2件が受理されている。前者の住民投票 zukunftentschid の運動に一部関わった経験から市民運動の片鱗を共有できたらと思い、記事を書き始めた。日本の住民投票の制度について調べる内に、一部地方自治体にて重要な動きがあったことを記したく、本記事を前編とする。

住民投票って何やっけ?

日本国内での住民投票と言ったときにまず思い浮かぶのは、大阪都構想に関する住民投票だ。2015年、2020年に大阪市で行われいずれも僅差で反対が上回った投票結果となり、再び住民投票が実施されるかは未定という状況だ。

ほかに、沖縄県米軍普天間飛行場辺野古移設に関する県民投票(2019年)では、7割の反対票が投じられたが、現在、辺野古で埋め立て区域に広がる軟弱地盤の改良工事が進められている状況だ。国の政策に対し、地方住民がどこまで影響力を持つかを問う象徴的な事例であると言える。

 

直近では大阪で「カジノ」を巡る市民運動があったことも記憶に新しい。2022年初頭に市民団体が、カジノを含むIR誘致に関する住民投票条例制定の直接請求を求め、約21万筆(うち有効約19万3千筆)の署名を府内で集め、提出。

自身が大阪駅付近で行われていた演説に立ち止まり、その場で署名を行ったことがあり、また多数の署名が集まったことを知っていたため、あれは住民投票まで行ってなかったんやっけ?と気になった。

2022年3月末 ヨドバシ前、山本太郎が来ているとの事で覗きに行ったら、IR・カジノ計画への「直接請求署名」の呼びかけをしていた(筆者撮影)

住民投票の制度

どうやら日本の自治体の住民投票には「個別型」と「常設型」の2種類があるらしい。

①個別型

  • 特定の案件ごとに都度、住民投票条例を制定する方式。

  • 条例の制定自体が議会または首長の判断に依存

 🔹 特徴:住民からの請求があっても、議会で否決されれば投票自体が実施されない

 

②常設型

  • あらかじめ住民投票条例を定めている自治

  • 条例で「どういうテーマで」「どういう手続きで」住民投票を行うかを定めておく。

  • 市民からの請求があれば、手続きに則って実施可能。

 🔹 特徴:柔軟にテーマを設定可能。テーマ例:景観、公共施設、基地問題など。

 

カジノに関する直接請求では、集まった署名は法定署名数を大きく上回っていた。その後、その是非を問う住民投票条例案自民党が提出したが、維新と公明の反対多数により大阪府議会および大阪市議会で否決された。これは大阪府大阪市が「個別型」住民投票に分類されるからだ。

自民党内部では「住民投票によって市民理解を深める必要がある」との賛成意見が出ていが、修正案も含めて成立には至らなかった。 吉村洋文知事は「議会での議決手続きが十分あり、住民投票の意義を見いだせない」という意見を述べ、大阪維新が議会多数を占めていたこともあり、早期の否決が決定されたのである。

常設型住民投票の始まりと意義 愛知県高浜市

日本で初めて、議会が拒否できない常設型の住民投票条例を制定したのは、愛知県高浜市だそうだ。名古屋市ベッドタウンで人口4万8千万人ほどの小規模な自治体である。

条例制定のきっかけとなったのは、1996年岐阜県御嵩町産廃施設に反対して住民投票を検討した町長が襲撃されるという事件だった。その後、町民の力で住民投票が実現し、町議会は18人中12人が条例案に賛成した。

ecotopia.earth

この一連の動きに感銘を受けた愛知県高浜市の当時の市長は、「重大案件が起きる前に制度を整えておくべき」と考え、全国初となる常設型条例を提案した。

議会の権限を制限する内容だったため慎重論もあったが、請求に必要な署名数を「有権者の3分の1」と高く設定することで議員の理解を得て、全会一致で可決された。

この高浜市の取り組みが、後に他の自治体にも波及している。2023年7月末時点で、常設型の住民投票に関する条例を制定している自治体の数は78ある。

住民投票は間接民主主義を否定するものではない 大阪府岸和田市

それらの自治体の住民投票に関する条例を調べていた時に、大阪府岸和田市の条例解説の文章に感銘を受けたのでシェアする。

岸和田市では、2005年に制定された自治基本条例で、住民が有効人口の1/4の署名を経て請求した場合、市長は直接住民投票を実施しなければならないと規定している。

住民投票をめぐる議論では、「間接民主主義を否定するのではないか」という懸念も根強い。だが、岸和田市は、住民投票は議会を補完し、自治を深めるための制度であると繰り返し以下の文章で強調している。

(1) 住民投票制度については、「間接民主主義を否定するもの」という議論もありますが、現行の地方自治制度では、もちろん間接民主主義が基本であり、直接民主主義である住民投票は、これを補完するものとして位置付けるものだと考えます。

 自治の本旨においては、直接民主主義、間接民主主義、どちらが正しい選択というべきものではなく、双方が互いに制度の十分でないところを補完しながら、その時々の社会情勢に則し住民の意思をより的確に反映することが重要なのであって、制度の柔軟な運用が必要です。

 住民投票は大きな課題ですし、自治というものを考える上では、議会と住民投票地方自治の2本柱であり、決して間接民主主義を軽視するものではありません。

(2) 住民投票といっても、全てのことを住民投票で決めるわけではありません。岸和田市が直面する重要課題、岸和田市の根幹に関わるような課題、将来に決定的な影響を及ぼすような課題に限って住民投票をすることは、間接民主主義の否定には繋がらないと考えます。むしろ、間接民主主義では十分とはいえない部分を補う意味を持つものです。

(3) 自治基本条例の前文に規定しているように、市民が自治の主体、市政の主権者であるという認識が高まり、市民が自らの地域は自らの手で築いていこうという意思を明確にして、自ら考え、行動することで市民自治都市の実現を目指していくとき、市長や議会と市民の考えが対立しているか否かを問わず、岸和田市にとって重要な問題については住民投票にかけるという選択肢がでてくると考えます。
 住民が主権者の責任において住民の意思をはっきり示して、市長や議会の政治判断の方向性を示唆する意味は大きいと考えます。

(4) 住民投票を制度化しても、その位置づけは、種々の住民参画制度の内の一つであって、住民投票が住民の意思の地方政治への反映手段として絶対視されたり、万能視されたりすべきではないことはもちろんです。

(5) 住民投票を実際に実施するには、多大な費用と住民のエネルギーが必要であり、かつ、望ましい姿で実施されるためには常日頃からの情報の公開、住民の地方政治への参画意識の育成、政治的成熟、種々の住民参画制度の充実が必要であり、かつ、望ましい姿で住民投票が実施されてこそ、住民と議会との間にも適切な緊張関係が保たれ、議会の活性化とともに、住民投票制度が定着することが可能となると考えます。

(6) このようなことから、住民から一定の要件を満たした請求があれば住民投票を行うことで、直接住民の意思をより的確に反映させようというものです。住民にとってのセーフティーネット(安全網)との位置付けでもあります。しかし、なんでもかんでも住民投票するというものではなく、その分ハードルを高くして、それでも、それだけの住民の声が集まれば、直接住民の意思を問うための住民投票はやはり必要だろうという考えです。

岸和田市住民投票条例逐条解説 - 自治基本条例 - 岸和田市公式ウェブサイト(企画課)

読んでみてどうだろうか。ええこと言うなぁという感想が漏れる。

住民投票に対する過度な期待も過度な警戒もなく、必要なときに、必要なテーマに、必要な規模で住民の声を問う必要性を分かりやすく説く文章だ。「投票する権利」は、日頃からの情報公開と対話によって初めて意味を持つというのもまさにその通りだ。

定住外国人にも認められている住民投票

この条例は、岸和田市長を8期32年務めた原氏の最後の仕事となった。そして「常設型」であることに加え、定住外国人」にまで範囲を広げたのは全国初だった。

投票権を得られる外国人は、基本的に市内に3カ月以上住所を有する者としている。前提となる満18歳以上の年齢要件は永住外国人でも同様だ。

現在の条例では「定住外国人」を以下のように定義している。

【1】 特別永住者

特別永住者」は、1991年11月、「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」の施行によって、歴史的経緯により引き続き日本に居住している朝鮮人及び台湾人とそれらの人たちの子孫を対象に定められた在留資格です。これらの人は、日本への永住資格を得て、日本の風土や文化、慣習の中で日常生活を営み、日本と密接な関係を持ち、生活の場である地方の問題についても日本人とともに考えるに至っていると考えられます。

【2】 永住者

永住資格をもっているこれらの人たちも、前号に規定する理由と同じです。

【3】 在留資格を持っている外国人

出入国管理及び難民認定法別表第1に規定する活動や別表第2に規定する身分や地位の在留資格をもって在留している者で、引き続き3年を超えて日本に住所を有しているもの」。 ここに規定する「3年を超えて」というのは、以下の理由によります。
 在留期間が、その活動内容によって3カ月であったり、1年であったり区別されていますが、最高でも3年を超えることはできない(平成21年7月に「出入国管理及び難民認定法」が一部改正され、現在は、最高でも5年を超えることはできない、と規定が変更されています)と定められています。それを超えて日本に在留するには、活動内容によっては何回も更新手続が必要となってきます。もし、更新しないままですと在留資格を失い、不法滞在となってしまいます。
 更新することで、さらに日本に滞在しようという意思を明確にしているこれらの外国人については、たとえ「永住」の資格を持っていないとしても、3年を超えた滞在中に日本の風土や文化、慣習に触れることで、日本と密接な関係を持ち、地方の問題について日本人とともに考えるだけの知識を身に付けるに至っていると考えられます。

岸和田市住民投票条例逐条解説 - 自治基本条例 - 岸和田市公式ウェブサイト(企画課)

国内では現在、外国人投票権を認める条例を制定している自治体の数は42とされている。地方自治体の条例による住民投票制度は、選挙よりも柔軟に「住民の範囲」を設定できる。だからこそ、外国人住民にも発言の機会を保障するツールとして、住民投票の活用が注目されると考える。

 

日本の現行の法律では、永住者や定住者として10年、20年と暮らしていても、参政権を得るには帰化が必要であり、帰化にも言語や職業、思想の審査がある。

そもそも定住外国人参政権は、国政選挙ではなく地方選挙を対象に、1990年代から議論が本格化した。1993年には(また同じく)大阪府岸和田市議会が付与を求める決議を行い、その動きは全国にも広がった。1995年の最高裁判決は請求を退けながらも、「永住者らに地方選挙権を与えることは憲法上禁止されていない」と明言し、判断を立法に委ねている。

 

今回岸和田市の条例で定める外国人の定義を読み、ほっとした。そこには、地域の一員として共に暮らす姿を当然の前提とする考え方が読み取れる。もちろん、日本社会に溶け込むための支援は欠かせない。しかし、近年は排除を前提とする議論や風潮に慣れすぎてしまっていた分、「共生」の原点を思い出させてくれる条例の存在が、少し心強い。

外国人排除を前面に打ち出す政党が登場し、「日本人ファースト」というスローガンが躍る背景には、移民・労働問題・治安・アイデンティティに関する複雑な感情があるだろう。だが、その一方で、「このまちで暮らしている」だけの理由で、意見を表明する機会すら奪われる人たちが出てくるかもしれない。

最後に

今回は、ドイツ・ハンブルク市の住民投票について記す前に、日本の住民投票制度への理解を深めるため、全国初の常設型住民投票を条例に定めた高浜市と、外国人の住民投票を初めて認めた岸和田市の事例を見ていきました。

しかし残念なことに、条文通りの制度があるにもかかわらず、両市ではこれまで実際に住民投票が成立した例はないのである・・・!(高浜市では、一度住民投票請求が行われたが、成立要件を満たさなかった。)

制度を持つだけでは、市民の声や多様な視点は十分に届かないままだ。だからこそ、これらの仕組みを「飾り」ではなく、日常の自治を支える道具として活かしていくことが必要だ。

『No Other Land』ドイツでパレスチナの現状を記録した映画を見る

Zerstöre es nicht!!(これ以上私たちの家を)壊さないで!

映画の字幕で何度も見た動詞が【zerstören】【destroy】【壊す】

パレスチナの人々の土地(Masafer Yatta)、日常、尊厳、そして未来が、あまりにも簡単に「壊されて」いく。それは2023年10月に行われたハマスによるイスラエルへの越境攻撃、その後のイスラエル軍によるガザへの侵攻以前の話である。

 

映画のタイトルと、パレスチナの活動家(Basel)とイスラエルのジャーナリスト(Yuval)が友情を築いていくという概要だけを知って私は席に着いた。

監督が手持ちカメラで淡々と追う日常の風景。パレスチナの住人たちの目線で、これまでの安心して眠ることもできない生活を追体験しているような感覚だ。途中、目をそむけたくなるような破壊・暴力のシーンもあったが、これが彼らの「日常」なのだと思い知らされる。私たちが平穏な日常として享受しているものは、そこには存在しない。

 

会場内の様子&次回のイベントのチラシ

■ 印象に残った3つのシーン

1|「俺たちはいつ結婚するんだろう」何気ない会話

ある場面で、イスラエル人のYuvalがパレスチナ人のBaselに「モルディブに行こうか」と冗談めかして言う。また別の場面では、「俺たちはいつ結婚するんだろう」と尋ねる場面もあった。
一見すると、どこにでもいる若者たちの何気ない会話だ。けれど、その背景には決定的な「自由の差」が横たわっている。

イスラエル人の青年が国外旅行の話をできる一方で、パレスチナ人にとっては空港へ行くことさえほとんど不可能だ。人種によってナンバープレートの色が異なり、パレスチナ人の車の入場が制限されているエリアがある。
ごく普通の夢や悩みさえも持てない人がいるという現実に、心が締めつけられた。

2|村で唯一の学校

村に建てられた、唯一の学校。
その建設は、イスラエル兵の妨害をかいくぐるようにして行われた。昼間は女性と子どもたちが建設を進め、夜になると男性たちが交代する。ついに完成した学校は、豪華ではないけれど、屋根と机、椅子、黒板がそろった学び舎だった。

しかし間もなく、イスラエル軍は学校の取り壊しを命じる。
子どもたちが目を輝かせて勉強していた教室は、無惨に瓦礫と化した。

教育を受けることは基本的人権のひとつのはずだ。
なぜ子どもたちが「学ぶ」という希望さえ奪われなければならないのか。

carnegieendowment.org

3|切り裂かれる水のホース

地面から水が噴き出す。切断されたホース、破壊されたパイプ。
「生きる」ために不可欠な水が、計画的に奪われている。家を壊し、学校を壊し、そして水までも遮断していく。

住民がイスラエル兵に「なぜ壊すの?」と問いかけると、彼らは「これは法律に基づいている」と繰り返す。だが、パレスチナ人にとってその土地は、1830年代から先祖代々住み続けてきた場所。どんな法が、それを否定できるのか?

 

■ 私たちはどう関わるべきなのか――観客として、ドイツに暮らす者として

映画上映前にトークイベントが開かれた。今回の上映会は、ドイツの左翼党 Die Linkeが主催したもので、その前の週にもハンブルク市内の別の場所で上映会が開かれた。

ドイツでは「イスラエルの安全保障は国是である」という原則が掲げられ、ほとんどの政党がイスラエルの政策を支持する立場を取っている。その中で、Die Linkeが政党として今回の上映会を開催し、パレスチナの人々の視点に耳を傾ける場をつくるというのは、非常に稀な行動である。いかにしてこの虐殺に対して立ち向かうのか、意見を聞いてみたいと思って私は参加した。

各党のスタンスに関して。現首相CDUのメルツは、ガザの情勢に対して「イスラエル自衛権」を全面的に支持しており、前首相SPDのショルツ首相も繰り返し「イスラエルの安全保障はドイツの国是」と発言していた。緑の党 Die Grünenは人権に敏感な党であり、党内にはパレスチナに同情的な声もあるが、与党入り以降は親イスラエル的な姿勢を取っているように見える。

そして左翼党 Die Linkeは、党内にイスラエル批判を強く行う人もいる、今回のようなイベントを開催する唯一の党と言って良いかもしれない。

トークイベントは、Die Linkeに所属するメンバーが、パレスチナ出身・ドイツで弁護士として活動している方に質問をする形式だった。

その人の両親は、パレスチナの村al-Falujaの出身で、この村は現在のイスラエル建国にともなって破壊された村の一つ。彼の家族は、ナクバ(1948年の「大災厄」と呼ばれるイスラエル建国時の大量追放・村の破壊)を経験した世代だ。政治的に本格的に活動しはじめたのはここ10年ほど前、特に近年の状況、親族の多くがいまだ現地で生活していること、そして現在進行形で起きている虐殺(「Völkermord=ジェノサイド」と明言)を受け、政治的関与を強めたと自己紹介をしていた。

ジェノサイドを正当化してしまう経済構造

ドイツ企業がイスラエル占領政策から直接的に経済的利益を得てきたという事実が語られた。私たちができることーボイコットとなる対象の企業(こちら日本語の情報)は、BtoCビジネスを行っている企業がほとんどなので、あまり馴染みのない名前の企業もある。

たとえば、ThyssenKruppイスラエル海軍向けに潜水艦を製造し、数十億ユーロ規模の契約を結んでいる。その一部はドイツ政府によって助成されており、国家ぐるみの経済協力体制が存在している。また、VolkswagenSiemens、さらにはメディアのSpringer社も、占領地における事業展開、情報操作、人材供給といった形で、この構造に組み込まれている。

www.aljazeera.com

これらの企業は皮肉にも、危機から利益を得ている。占領とは軍事的なものにとどまらず、グローバル資本主義の中で正当化・活用される構造であり、この構造に加担している現実を直視し、ドイツで人権や反差別を掲げる人々、特にDie Linkeをはじめとした社会的左派には明確な立場と行動を求めたいパレスチナ出身の方は強調していた。

サブカルチャー発信の場を守る

現在世界は、右傾化の時代にあり、先の参議院選挙で日本でも極右政党の躍進からその風が吹き荒れている。

トークでは、その傾向に加え、現代の闘争は本質的な差異に基づいて生み出されており、新自由主義による主体の分断で個人が孤立化している点が問題視された。

私たちは何も新しいものを生み出す必要はなく、忘れかけていた連帯(Solidarität)を取り戻すことが必要だ。かつて連帯は“民族間の優しさ(Zärtlichkeit)”と呼ばれていた。

これは他の大陸と陸続きになっていない日本で育った私には、馴染みのない概念であると受け止めたが、印象に残ったメッセージだった。

また最後に、この上映会の場の提供者にも感謝の言葉が述べられた。上映会の会場であった、Stellwerkハンブルク中央駅から電車で10-15分のHarburg駅構内の地上階にあるナイトクラブ。

確かに表立って「親パレスチナ」を主張することを躊躇う空気がある中で、場を提供することには勇気が要る。トークではサブカルチャーの浸食が進んでいる」と表現されていた。こうした空間が今も存在し続けているのは重要なことであり、私たちにできるのはこういった表現の自由、政治的議論の場、そして連帯の場としての公共性を担う空間を守るために足繁く通うことだ。

 

池の水を抜く「かいぼり」Pond Draining for Biodiversity

池の水を抜いて、底にたまった泥を取り除く「かいぼり」。昔から農業用のため池や城の堀で、春を迎える前の寒い時期に行われてきた。今でも皇居外苑の堀や全国のお城で続けられ、東京都武蔵野市井の頭公園では名物イベントになっているそう。

 

そんな「かいぼり」に、2024年3月、神戸の資源リサイクルセンターに併設されたビオトープで参加してきた。主催団体とご縁がありスタッフとして関わったのだが、驚いたのは子どもたちの知識!専門家の先生に負けないくらい、生き物の名前をすらすら答える小さなマニアたちがたくさんいて、自然保護の道に進む人も出てきそうだなと、未来に希望を感じた。

 

ところで「ビオトープ(biotope)」ってなに?と思う人もいるかもしれない。

・・・もともとその地域に住む生き物たちが安定して暮らせる場所のこと

「生物」を意味する「bios」と「場所」を意味する「topos」を組み合わせた言葉で、ドイツの動物地理学者が名付けたらしい。せっかくドイツにいるのだし、本場のビオトープも見に行かなくては!

今回作業をしたビオトープは、20年にわたって保全されてきた貴重な場所。神戸市内の自然地で絶滅したものや絶滅が危惧される植物が多く維持保全されており、市内でもトップクラスの環境だとか。そんな場所で「かいぼり」を体験できたのは、とても貴重な機会だった。

ポンプを使って池の水を抜き、ぼうぼうに伸びた水草を整え、底にたまった泥をショベルで掻き出してバケツに入れる。重たくなったバケツはリレー方式で運ばれ、最後に泥の中から「生き物の救出」が始まる。

 

掘り出された生き物は、種類ごとに慎重に分けられていく。カワバタモロコ、ミナミメダカ、ミナミヌマエビ、クロスジギンヤンマ、ニホンアカガエル……。

赤文字で書かれているタコノアシは多年草の一種、一部地域では準絶滅危惧種に選定されている。明石川に多く生育していたそうだが、近年河川敷ではほとんど見られなくなった。このビオトープでは沢山生息しています!

観察された生き物の名前を、模造紙に黙々と書き留める中学生たち。私だったら聞きなれない名前ばかりで、きっと何度も聞き返してしまうだろう。

作業が終わると、池に再び水をため、いったん水槽で保護していた生き物たちを元の環境へ戻す。残念ながら、作業中に命を落としてしまう生き物もいる。それでも、この「かいぼり」は池の環境を健全に保つために欠かせない。生態系を守るための、1年に1度の大切な仕事なのだ。

 

「かいぼり」には、さまざまな環境的な意義があるとされている。

 

第一に、水質改善。
池の底にたまった有機物を取り除くことで、水の透明度が上がり、藻類の異常繁殖を防ぐ。また、沈んでしまったゴミも回収できるので、池全体がスッキリする。

 

第二に、生態系の維持。
外来種の駆除を行うことで、本来の生態系を取り戻すことができる。今回のビオトープでも、特大サイズのウシガエルが数匹見つかったため、参加者の中には食用として持ち帰った人もいた。

さらに、気候変動対策にもなるとか。
ため池や湿地の底では、酸素が不足することでメタンが発生する。メタンは二酸化炭素28倍もの温室効果を持つガスだ。特に夏場は「水温成層」と呼ばれる現象で池の水が混ざらず、底の酸素が不足しやすくなる。しかし、かいぼりを定期的に行えば、池の底に酸素が供給され、メタンの発生を抑えることができる可能性がある。

 

かいぼりと農業のつながり
昔から日本各地で行われてきたかいぼりは、もともと環境保全ではなく、農業用の実用的な管理作業だった。例えば、田んぼに水を引くための「浚い(さらい)」と呼ばれる河川の清掃作業も、かいぼりと同じ考え方に基づいている。

数年前、福島県喜多方市で田植え前の「さらい」に参加したことがある。泊まり込みで地域の人たちと作業をしながら、昔から続く農業と環境の関わりを実感した。棚田のように人の手で作られた環境は、手をかけ続けなければ維持できない。これはビオトープや人工の池でも同じことだろう。

 

かいぼりは、単なる池の掃除ではなく、生物多様性保全、農業、そして気候変動対策と、多方面に関わる奥深い活動であることが分かって頂けたのではないでしょうか?

 

昨年私が参加した「ビオトープかいぼり」が今年も開催されます!

日時 2025年3月20日(祝日) 09:30~14:30
場所 神戸市西区見津が丘1-9 神戸市資源リサイクルセンター

 

ぜひ泥んこになって楽しんで来て下さい!

気候市民サミット①IPCC特別報告書をよむ

10月20日に気候市民サミットin京都 〜気候危機とIPCCの気候科学・脱炭素革命・自然エネルギー100%〜が開かれたので、そこで話されたこと、考えたことを自分なりにまとめてみました。1年近く更新をしていませんでしたが、今日はたまたま時間があり…

現在はClimate Youth Japanにて、12月のCOP24派遣に向け準備をしているところです。

 

個人目標
  1. IPCC気候変動に関する政府間パネル)が今月上旬に出した、1.5°Cの地球温暖化に関する特別報告書のサマリーを理解すること
  2. 脱石炭の市民運動に従事する方の話を聞き、今後若者が国内や国際会議の場においてどのように行動していけばいいか手がかりを知ること
  3. 登壇された方も含めて参加された方々と何らかの形で繋がること

目標①IPCC気候変動に関する政府間パネル)が今月上旬に出した、1.5°Cの地球温暖化に関する特別報告書のサマリーを理解すること

気候変動の分野で有名な江守 正多さん(国立環境研究所)のお話を聞くのは初めてで、第6次報告書にもかかわっている学者の方の見解を知ることが出来たのは貴重な機会だった。

報告書はこちら(原文・英語)。「IPCC 報告書」と検索すると日本のNGOがまとめたものも見つかる。それでは順に追っていこう。

 

現在地は?

現時点で産業化以前を基準に既に約1℃温暖化しており、このままのペースなら2040年前後に1.5℃に到達してしまう。

そして仮に現時点で人間活動による排出をピタリと止めても温暖化と海面上昇は数百年以上続くが、1.5℃までは温暖化しないだろう。

 

後者に関する議論に「ティッピング・ポイント(tipping point)」という言葉が登場し、海上からの質問が湧きあがった。

 

少しずつの変化が急激な変化に変わってしまう転換点を指す用語である。気候変動についても、あるレベルを超えると、気候システムにしばしば不可逆性を伴うような大規模な変化が生じる可能性がある、こうした変化については、現時点では未解明な部分も多く、さらなる研究が必要であるが、その潜在的な深刻さについては認識しておくことが重要である。

http://www.env.go.jp/earth/ondanka/rep130412/report_2.pdf

 

未だ解明されていないことも多いが、+2℃上昇からスイッチが入り温度上昇が止まらなくなる転換点があるそうだ。

 

1.5℃温暖化したらやばくて、2℃温暖化すればもっとやばい

パリ協定では「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つととも. に、1.5℃に抑える努力を追求すること」という目標が掲げられている。この目標に対してどう考えるだろうか?2℃達成出来たらセーフで1.5℃なら安心!ではない。1.5℃温暖化したらやばくて、2℃温暖化すればもっとやばいのだ。ここでは具体的にどんなことが起こるかは省略するが、その悪影響は北極域、乾燥地域、沿岸低平地、小島嶼などに住む途上国の貧しい人たちや先住民族がはじめに被る。

改めて、”だれのために”という観点を忘れないでおこう。

 

2℃、1.5℃に抑える努力はめいっぱいすることは前提とした上で、「オーバーシュート」の策があると報告書に書かれている。

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「オーバーシュート」とは温暖化が1.5℃を一度超えてから1.5℃まで下げることである。どうするか?人為的に大気中の二酸化炭素を除去する技術(CDR)を用いる。少量ならば、植林や農地の土壌管理などで可能であるそうだ。すべてをこの技術に頼ることはできないことを認識しておきたい。

 

これからの社会はどうなっていく?

これから世界全体で目標を達成するには、いち早いシステムの転換が求められる。

システムの転換=投資の増加、政策、イノベーションの加速、行動変容

「いまある技術を低コストで社会に普及していけるか」「想定されているイノベーションはもっとダイナミックに起きており」、例えばデジタル化や自動化という技術をどう気候変動問題に応用していけるかも柔らかい頭で考える必要がある。という言葉が印象に残った。

 

COP23に参加してきた日本のユースとして思うこと

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COP23に参加した経緯

COP23って聞いてピンと来ない人もいるかもしれないけれど、『京都議定書』や『パリ協定』が定められた会議の23回目と聞くと分かりやすいでしょう。この会議は"気候変動問題"をメインに議論するものですが、気候変動問題ってあらゆる分野に影響してくるんです。日本に住んでいるとその影響ってあまり感じないかな…しかし世界では既に被害を受けている国があって、今回議長を務めたフィジーはじめ島嶼国や途上国からの参加者との出会いでそれを実感した次第です。

#みんなお馴染みのSDGs。気候変動がどう世界に影響を与えるか一度考えてみて。

 

なんで私がCOP23に行ったかって?

COPって首脳が集まって会議をする雲の上のような存在というイメージで行けると思ってへんかった!んやけどClimate Youth Japanと夏に出会い(ドイツに住んでいることもあり)派遣メンバーとして参加する権利を分けていただきました。日本の若者として参加する手段はClimate Youth Japan経由か、某大学からの認定を貰うか、インターン先のNGO経由で行くかこの3択くらいかな。

               

そんな貴重な経験をさせてもらうにあたり、今までのCOPの歴史や交渉の論点を勉強しつつ自分なりに目標を立てようと思うも、派遣先で何ができるかイメージが湧かず……

とりあえずの行動目標として「自分は日本の若者の代表団」だからこそすべきこと=日本人に向けての情報発信をしようと個人的に真面目Tweetをひたすら飛ばしました笑

 

具体的にそこで何ができる?

会場はふたつに分かれており私はハイレベルな会場に行く権利を持っていませんでしたが、もう一方の会場の方がサイドイベントやブースが充実していました。

好きなテーマのサイドイベントに行く

環境問題に関心を持つようになったきっかけのFinance。高校生の時に見たあの動画ではそもそも世界のどの問題に「いま」積極的投資すべきか、環境問題は後回しになっているということが叫ばれていたから衝撃を受けたけれどそんなの古い話。今回の論点とその結果はここで詳しく見ることが出来るが、Loss and Damage(気候変動に脆弱な途上国の損失と損害)に対するきちんとした基金の枠組みが必要ということは後で述べるワーキンググループでも確認しました。

印象に残っていることとしてSolar Impulseの代表のスピーチで、企業による再生可能エネルギーやテクノロジーへの投資の必要性を感じました。気候変動対策はいますぐに行動を起こさなければ遅い、テクノロジーが開発され誰でも使える状況であれば積極的に使っていこう!太陽光で空の旅ができる日は近い。

                     「solar impulse」の画像検索結果

 

海外の若者と活動する

何よりも参加して得られたものは海外の若者とのネットワークと彼らとなら社会を良くできるという確信を持ったことです。

YOUNGOは若者の声を届ける役割を持っており、ひとつのClimate Change Secretariatとしてプレナリーや会議(COP/CMP/CMA)への出席、補助機関の議長やCOP議長国との会合に出席する権利が与えられています。

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#世界各国から集まったLoss&Damage Working groupのメンバー

YOUNGOが最終日に会議の意思決定を踏まえて公式会見をするということで、その文書を分科会に分かれて作成する仕事にちょっと首を突っ込んでみました。いろいろな分科会がある中で私はLoss and Damage(前項参照)のグループで活動することに。とは言え専門分野で無かったためはじめは議論に全く付いていけませんでしたが、個人的にその分野のイベントに参加して知識を付けたり、ニュースをシェアしたりしてチームに貢献できるよう務めました。

       画像に含まれている可能性があるもの:2人

なおYOUNGOによる会見の動画はUNFCCCのサイトに挙がっています↓ 若者が気候変動に対してどんな意見を発信しているのか、是非みなさんにもチェックしてもらいたい。(30分)

https://unfccc.cloud.streamworld.de/webcast/youngo-the-youth-constituency-press-conference-2 

 

Climate Youth Japan主催のイベントの準備をする

Climate Youth Japanのメンバーは日中は各人の興味に基づいてイベントに参加し、晩は同じ宿泊所でイベントに向けたミーティングをしていました。

 このイベントはこれまで私たちが東京2020サステナリンピックの実現を目指して活動していたことをケースに挙げながら、参加者と共に若者の参画や持続可能な社会づくりに関するアイデアを話し合うものでした。当日はグループのファシリテーターをしていましたが、参加者で世界のSustainableな取り組みを共有し「へ~こういうのもあるんや!いいね!」と共感する時間がつくれたことが素敵でした!

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#ピコ太郎の音楽でSustainalympics♪盛り上がった

 

今回はじめてCOPで出会うClimate Youth Japanのメンバーが多かったです。志同じく日本で活動している人がいると刺激を受けます!また日本に帰ってからじっくり話したいな。

 

 

まとめ

今年のCOPはフィジーが議長を務めたこともあり島嶼国主催のイベントが多かったり、アマゾン流域の先住民の代表として参加している人と話す機会があったり、気候変動と人権をテーマにしているイベントで環境難民となった方の話を聞いたり…

今まで気候変動の脅威やこうして経済活動を行っている間にも私たちが気候変動を加速させていることを、脳で理解し危機感を持っていましたが、今回はで理解できたような気がします。

それに加え世界から集まった若者のプラットフォームが存在していること。彼らの中には既に積極的にアクションを起こしている仲間がいること。それがこれからの私の一歩をサポートしてくれそうです。

 

これからの私の一歩って…?

今回日本が「本日の化石賞」*を受賞したことがショックというか「日本」という看板を持ってCOPに参加する心境は複雑でした。

他国のユースに"I'm from Japan"と言った時に特別批判的な反応をされたことはありませんが、やはり「国籍」というフィルターを通して他者を見ることが少なくともあるため、自分がどう思われているのかを気にしてしまうのです。

一方で、このように日本が「本日の化石賞」を受賞したのは私たちの上の世代の意思決定に基づくものであり、直接的な責任が私たち若者にないと考えることもできます。

「日本人」のユースとして今後どう行動していくか。

今まで私は被害を被りやすい島嶼国や途上国の気候変動問題を解決するために世界の気候変動対策がどうあるべきかに注目していました。しかし、それ以前に選挙投票やCYJの政策提言の活動で自分の国の意思決定にも関わるという意味で自分にも責任があることを認識するべきだと考えを改め…将来世代に同じような思いをさせないためには、いま変革を起こしていく必要があります。

将来日本を背負って気候変動交渉の場に立つという進路も視野に入れようと考えてみたCOPでした!

 

*「本日の化石賞」

この賞はCOP会期中の日々の交渉で温暖化対策に最も後ろ向きな国に贈られる賞です。(化石燃料と、化石のように考え方が古いとの揶揄を掛け合わせた言葉)今回日本が受賞した理由は、6日の首脳会談で日本政府が米国との間で合意した「日米戦略エネルギー・パートナーシップ(JUSEP)」において2017~18年に東南アジアや南アジアへ石炭火力発電所原子力発電所の輸出を目指すとしたことでした。

 

ソーシャルビジネス(2)-2

続き)ビジネスコンテスト合宿から帰ってきてから考えた三つ目のサービス

引越しを目前にして

大学生になってひとり京都から神戸へ引っ越してきて2年と数ヶ月。

入居し始めてからは静かな家で拘束されない時間を過ごせ、ホームシックになることも無く一人暮らしには満足していた。学校からの距離も近く、今更京都から通う選択肢はないと思っていたが、この夏から1年間留学のために神戸から離れるにあたって7畳の部屋を手放すことになった。

       

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        (引越しも後輩に手伝ってもらった)

そのときに問題になるのが、家電、大型家具、使いさしの生活用品の行き場。まだ二年しか経っていないのに捨てるのももったいないし、また帰ってきてから一人暮らしをするのでトランクルームにおいておいたとしても一年間で10万円掛かる。

(先日引越しが完了した。結局、冷蔵庫は3000円、食器棚は0円で売れ、机とマットレス合わせて11000円で処分してもらうことになった。ベッド、椅子、本棚は知り合いに引き取ってもらえた。)

 

思えば一人暮らしをはじめる時、電器屋と家具屋で新品の冷蔵庫・電子レンジ・炊飯器・ベッド・机いす等を揃えた。新生活にわくわくして、せっかくだからということで綺麗なものを買ってもらったのだ。その時に「もったいない」という考えは薄かった。

 

今から一人暮らしをする人に対して、家具や家電は中古にしておきなさいと言うのは(当時の私を考えると)無責任かもしれないけれど、たかが学生だし見た目なんて気にしなくて良いし、たかが4年なので耐久性に心配する必要はないと考える。そして一番の理由はそんなところにお金を投資するのなら、別のものに使ったほうが良い。

 

一人暮らしってそういうものなのかもしれないが、もし家電や家具をシェアできたらどれだけお財布に優しいだろうか?

 

すべての人がそう考えるのか?

私がこういう“無駄”に関心がわくのは、無駄な生活をした先に現れる問題を知ったからだ。

今では当たり前になっているライフスタイルは自然界が再生できないスピードで地球を圧迫している。高校生の時に気候変動によって海面上昇や干ばつが起こり、住む場所を失ったり飢餓に苦しんだりしている人々が世界のどこかにいることを知ってから、自らのライフスタイルを見直したいと思っていた。

 

「あなたは生活の中で無駄を減らすために何を工夫している?」

よく聞かれることがあるが、週のほとんどは自炊をする・レジ袋は貰わない・シャンプー、リンスではなく塩を使うなど色々工夫しているつもりだ。工夫を止めるつもりはないが、経済全体で見るとひとりの工夫など小さいものである。

 

シェアはブーム、信頼経済の形成

まったく知らない人の車に乗せてもらったり(Uber)、会ったこともない人のベッドで眠ったり(Airbnb)、あるいは地球の裏側にいる人にお金を貸したりするような行為が普通になりつつある。それらが可能になる背景にはITの進歩はもちろんあるが、人々の価値基準が変わってきたとも言える。

 

これから私はシェアハウスを提案するのだが、一昔前ならシェアハウスに住むことに対して若干の警戒心はあったのではないか。知らない人と住居をともにする、もしものことがあれば。そう考える人もいるかもしれない。

 

 「いいね」の画像検索結果

 

現代のシェアブームの中でそういった不安を取り除いているのが、「人」や「サービス」を評価する仕組みが整ってきたことであると言われている。さまざまなシーンで、人やサービスに対して5つ星による評価が付けられているのを見るようになってきた。これにより、まったく知らない人をも「評価」できるようになったわけだ。

 

私はこの信頼がお金に代わる価値基準になればきっと良い社会になると考えて、シェアハウスを軸に小さい信頼経済を築いていきたい。

 

最低限必要なのはシェアハウス内で盗みやプライバシーに関わる事件が起こらないような信頼関係。

加えてハウスメイトは同じ女子大学生であったとしても、それぞれ価値観や得意としていること、趣味が異なる個人である。その違いを生かして価値の交換と共有ができたら素敵だと思う。基本的なことであればハウス内での役割分担、料理係・掃除係・洗濯係など。たまに朝ばたばたしているのに洗濯機が脱水を完了するまで待たなければならないことがあるが、その時に1限がないメイトに干すのをお願いする。そして別の日にしてもらったお礼として、洗濯を代わりにしてあげる、何かプレゼントをするなど、「Give&Take」の関係が生まれるだろう。また、ギターの弾けるメイトに弾き方を教えてもらったり、将棋が好きな子の相手になってあげたり。まるで他の人の人生も一緒に生きているみたい。

 

イデアのヒントはドイツからも

私が留学で滞在するドイツは環境先進国。

それと大きく関係するかはわからないが、街には多くのWG(シェアハウス)が存在する。

私も1ヶ月間は学生10人ほどでシェアしているWGに住む予定で、私が借りる部屋のオーナーはこの夏からしばらく留学に行くらしい。貴重な留学生活を一人暮らしではなく、多くの様々な国籍の人と生活を共にしたいと思ったのは、過去に海外から来たインターン生を今の家で2ヶ月ほど受け入れた経験や、100人規模のシェアハウスで開催されるパーティーやハウスメイトグループの観光に誘われた経験が背景にある。異なる文化に触れる刺激的な日々だった。

 

本題のビジネスプラン

■ターゲット

ひとり暮らしを今から始める1年生や寮の申請期間が終わり、宿を探している2,3,4年生。また一年後の私のように留学から帰って来た4年生。他にも1年間日本の大学で留学をする留学生や日本に旅行等で短期滞在する外国人学生など出来るだけ安い物件を探したいと考えている人がターゲットだ。

 

■実現プロセス

シェアハウスを経営するには3つの方法があるらしく、予算に応じて選択する。

1.自分がオーナーになり、管理は管理会社に委託する方法

2.自分がオーナーになり、管理も自分でする方法

3.オーナーから物件を借りて、自分は管理人になる方法

 

①物件の確保

 ア 購入する場合    …コーディネート会社を利用する/住宅ローンを利用する

 イ 賃貸する場合

 ウ 知り合いのコネで譲ってもらう場合

(参考)全国で空き家が増加していることから、神戸市でも農業が盛んな地域を中心に空き家バンクのサービスを始めた。

②シェアハウスのルールに基づくハード整備

③家具家電の搬入 …安価で揃えたいので、現在一人暮らしをしていて今後シェアハウスに住むと決めてくれる学生に頼る

④第一入居者の募集

 

ざっとこんな感じでビジネスを進めると言っても、じゃあまずどこから物件を仕入れてくるのか、ハードルは高い。まずは自らがシェアハウスの良さを知って発信していくことから始まりそう。